
ヨシガモ(Spatula falcata):美しい緑の輝きが魅力のカモ
ヨシガモは、カモ科に属する中型の水鳥で、特にオスの鮮やかな緑色の頭部と繊細な模様で知られています。日本では冬鳥として多く見られ、静かな湖や池、河川でその美しい姿を観察できます。
1. 基本情報
- 学名: Spatula falcata
- 分類: カモ目カモ科
- 英名: Falcated Duck
- 全長: 約45~50cm(オスの尾羽含む)
- 翼開長: 約75~85cm
- 分布: 東アジア、東シベリア
- 生息地: 湖沼、湿地、河川、池などの淡水域
2. ヨシガモの特徴
外見
- オス: 頭部は光沢のある緑色で、光の角度によって虹色に輝きます。胸部は灰色で細かい模様があり、体側には波状の模様があります。尾羽は優雅に長く伸び、翼には白い部分が目立ちます。
- メス: 地味な褐色で、他のカモ類のメスと似ていますが、オスよりも小柄で全体的に控えめな色合い。
鳴き声
- ヨシガモの鳴き声は控えめで、オスは「クイックイッ」という音、メスは柔らかな「ガガガ」という声を発します。
3. 生態と行動

食性
- 植物食中心: 水草や藻類、種子、穀物などを主に食べます。
- 採餌方法: 水面で首を突っ込んで餌を取る「ディッピング」や、水草の間をつつく「ダビング」がよく見られます。
行動
- 群れで行動することが多く、他のカモ類と混群を形成することもあります。
- 渡りの際は夜間に飛ぶことが多く、昼間は休息している姿が観察されます。
繁殖
- 繁殖地はシベリア東部やモンゴル高原で、5月から7月にかけて営巣します。
- 草地や湿地に巣を作り、メスが8~10個ほどの卵を産みます。
4. 分布と生息地

冬鳥としての分布
- ヨシガモは日本では主に冬季に観察されます。渡りの途中で一部が日本に滞在し、本州、四国、九州の湖沼や河川でその姿を確認できます。
生息環境
- 湖や池、湿地、河川のような静かな淡水域を好みます。
- 水草が豊富な場所では採餌する姿がよく見られます。
5. 観察のポイント

見つけやすい場所
- 冬の湖や池では、他のカモ類と一緒に浮かぶヨシガモを見ることができます。
- 尾羽の長いオスは特に目立つため、双眼鏡を使えば比較的簡単に見つけられます。
他のカモ類との比較
- オスの鮮やかな緑色の頭部と尾羽の形状が、同じカモ類のヒドリガモやオナガガモと区別するポイントです。
美しい飛翔姿
- 翼の白い部分が目立ち、飛翔時には美しい姿を楽しむことができます。
6. ヨシガモの魅力
1. オスの美しい色彩
- 光の加減で緑から虹色に変わる頭部は、観察者を魅了します。
2. 静かな水辺での優雅な姿
- 群れの中で静かに漂うヨシガモは、冬の風景を彩る存在です。
3. 稀少性
- 日本では比較的観察される機会が少ないため、見つけた時の喜びもひとしおです。
7. 環境と保護
生息環境の変化
- 湿地や湖沼の減少が生息地の縮小につながり、個体数に影響を与えています。
保護活動
- 生息地の保全や環境保護活動が、ヨシガモの未来を守るために重要です。
- 餌となる水草や藻類を維持するための自然環境整備が求められます。
まとめ
ヨシガモはその美しい色彩と穏やかな生態で、多くの野鳥観察者に愛されています。特にオスの輝く頭部と優雅な尾羽は、冬の水辺で一際目を引く存在です。湿地や湖沼が彼らにとって安心できる生息地であり続けるよう、自然環境の保護が大切です。
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