
カンムリカイツブリ(Podiceps cristatus)— 優雅な姿と美しい求愛ダンスを持つ水鳥
カンムリカイツブリは、日本の湖沼や湿地に生息するカイツブリ科の鳥で、優雅な姿と独特の求愛行動が特徴です。冬鳥として全国で見られ、湖や川でのんびりと泳ぐ姿が観察できます。
1. 基本情報
- 学名:Podiceps cristatus
- 英名:Great Crested Grebe
- 分類:カイツブリ目 カイツブリ科
- 全長:約50cm(日本のカイツブリ類では最大級)
- 翼開長:85~90cm
- 体重:800~1200g
- 分布:ユーラシア大陸、アフリカ、日本では冬鳥(一部留鳥)
- 生息環境:湖沼、湿地、河口、内湾
2. 特徴
外見
- 体は細長く、首が長いのが特徴。
- 夏羽では頭部に黒い「冠羽(カンムリ)」があり、顔の両側に赤褐色の飾り羽が広がる。
- 冬羽では冠羽が目立たなくなり、全体的に白っぽくなる。
- 水に潜るのが得意で、長時間水中にいることができる。
鳴き声
- 「クルルル」「クェーッ」などの低めの鳴き声。
- 繁殖期にはペアが鳴き交わすこともある。
3. 生態と行動

食性
- 主に魚を捕食し、小型の甲殻類や水生昆虫も食べる。
- 水中に潜って餌を探し、長時間泳ぐことができる。
繁殖
- 繁殖期は春~夏(4~7月)。
- 湖沼の水辺に浮巣を作り、1回に3~5個の卵を産む。
- 親鳥はヒナを背中に乗せて泳ぐことがあり、親子で仲睦まじい姿が観察できる。
求愛行動(ペアダンス)
- ペアが向かい合い、頭を振りながら優雅に泳ぐ求愛ダンスを行う。
- 水草をくわえてプレゼントする行動も見られる。
行動と習性
- 潜水能力が高く、捕食や危険回避のために水中に逃げることが多い。
- 陸上での動きは苦手で、ほとんど水上で生活する。
- 冬場は日本各地の湖や内湾で観察できる。
4. 日本での観察

- 冬鳥として全国の湖や河口で見られる。
- 琵琶湖、霞ヶ浦、諏訪湖などで多く確認される。
- 繁殖地は北海道や東北の一部(留鳥として繁殖する個体も)。
5. 文化と人との関わり
伝承や歴史
- ヨーロッパでは、その美しい姿から王侯貴族に愛された鳥。
- 明治時代、日本では羽毛目的で狩猟対象となったこともある。
保護状況
- 日本では絶滅危惧種には指定されていないが、湿地開発などの影響で局地的に減少。
- 環境保護団体による調査・保護活動が進められている。
6. 近縁種との違い
種類 | 特徴 | 主な違い |
---|---|---|
カンムリカイツブリ | 長い首、黒い冠羽と赤褐色の飾り羽(夏) | 日本のカイツブリ類では最大 |
アカエリカイツブリ | 赤い首(夏)、小型 | カンムリカイツブリよりも小さい |
ハジロカイツブリ | 赤い目、黒い体(夏) | 冠羽がなく、目が特徴的 |
まとめ
カンムリカイツブリは、優雅な姿と美しい求愛ダンスで知られる水鳥です。冬場は日本各地の湖沼や河口で見られ、水に潜って魚を捕る姿が観察できます。繁殖期には、ペアで見せる求愛行動がとても魅力的です。
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