
ムクドリ(Spodiopsar cineraceus):都市にも適応した賢い野鳥
ムクドリは、日本全国で一年中見られる留鳥または漂鳥で、都市部や農耕地、公園などでよく観察される中型の鳥です。群れを作る習性があり、夕方には電線や街路樹に大集団で集まる姿が特徴的です。都市にも適応し、雑食性で多様な食べ物を採る賢い鳥として知られています。
1. 基本情報
- 学名: Spodiopsar cineraceus
- 分類: スズメ目ムクドリ科
- 英名: White-cheeked Starling(ホワイトチークド・スターリング)
- 全長: 約24cm
- 翼開長: 約37cm
- 体重: 約80g
- 分布: 日本、中国、朝鮮半島、ロシア南部など。
- 生息地: 市街地、公園、農耕地、林縁部など。
2. ムクドリの特徴
外見
- 体色: 灰褐色の体に、翼は黒みがかった色をしている。
- 顔の特徴: 頬が白く、目の周りが黒いのが特徴的。
- くちばし: オレンジ色で、先端は黒っぽい。
- 足: 黄色で、しっかりとした作り。
鳴き声
- 「ギャーギャー」「ジュクジュク」といった騒がしい声で鳴く。
- モノマネが得意で、他の鳥の鳴き声を真似することもある。
- 群れで鳴くため、都市部では騒音の原因になることも。
3. 生態と行動

食性
- 雑食性で、果実、昆虫、ミミズ、種子、穀物などを食べる。
- 農耕地では害虫を食べる一方、果樹園では果物を食べることもあり、農家にとってはメリットとデメリットの両面がある。
- 都市部ではゴミを漁ることもある。
群れでの行動
- 群れを作る習性が強く、特に夕方には電線や木の上に集団で止まり、大きな鳴き声を発する。
- 秋冬には数千羽規模の大群になることもあり、ねぐら入りの様子が観察できる。
- 繁殖期(春~夏)はペアで行動し、単独や小さな群れになることが多い。
繁殖
- 4~7月にかけて繁殖し、木の穴や建物の隙間に巣を作る。
- 1回に4~7個の卵を産み、約2週間で孵化する。
- 雛は親から餌をもらいながら育ち、2週間ほどで巣立つ。
4. 日本での分布と生息環境

- 北海道から九州まで全国で見られる。
- 都市部の公園や街路樹、農村部の畑や果樹園など、多様な環境に適応している。
- 冬には北から来た個体が加わり、群れがさらに大きくなる。
5. 観察のポイント
- 朝夕のねぐら入り:夕方に電線や木の上に集まり、大きな群れを作る。
- 地面での採餌:農耕地や芝生で歩き回りながら虫を捕る姿がよく見られる。
- 都市部での適応:公園やビルの隙間など、人工環境にも適応している。
6. 似た鳥との違い
種類 | 特徴 | 体色 | くちばし | 習性 |
---|---|---|---|---|
ムクドリ | 頬が白く、群れで行動 | 灰褐色 | オレンジ(先端黒) | 騒がしく、大群を作る |
ホシムクドリ | 光沢のある黒い体 | 黒(緑や紫の光沢) | 黒色 | ヨーロッパからの迷鳥 |
コムクドリ | 小型で優しい顔つき | オスは白黒、メスは茶色 | 黒色 | 夏鳥で、森に生息 |
7. ムクドリの魅力
1. 都市に適応した野鳥
- 人間の生活環境に適応し、街中でも観察できる鳥の代表格。
2. 集団行動の面白さ
- 群れでの行動が特徴的で、ねぐら入りの際の大群は圧巻。
3. 知能の高さ
- 鳴き声を真似する能力があり、観察していると面白い行動が見られる。
8. ムクドリと人間の関係
被害と対策
- 果樹園では、果物を食べる害鳥とされることがある。
- 都市部では、ねぐらに集まることで糞害や騒音の問題が発生する。
- 対策としては、ねぐらとなる木を剪定する、音や光で追い払うなどの方法がある。
益鳥としての側面
- 農作物につく害虫(イモムシ、バッタ、コガネムシの幼虫など)を食べるため、農業にとってプラスの面もある。
まとめ
ムクドリは、日本全国で見られる身近な野鳥で、都市部にも適応している賢い鳥です。騒がしく大群を作る習性があり、夕方のねぐら入りは迫力があります。農業害虫を食べる一方で、果樹園では被害をもたらすこともあり、賛否両論のある存在です。観察すると、その知能の高さや社会性の強さがわかり、興味深い鳥のひとつです。
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