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オグロヅルの生態と特徴|灰色の体に黒い尾を持つ優雅な渡り鳥

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オグロヅル(Grus monacha)|冬の九州に訪れる灰色のツル

オグロヅルは、全体が灰色の体色に黒い尾羽を持つ、気品あるツルの仲間です。体の大きさはマナヅルよりもやや小柄で、毎年冬になるとシベリアから鹿児島県出水平野に大群で渡来することで知られています。日本では特別天然記念物に指定され、文化的にも象徴的な存在となっています。

1. 基本情報

  • 学名:Grus monacha
  • 英名:Hooded Crane
  • 分類:ツル目 ツル科
  • 全長:約95〜100cm
  • 翼開長:約180〜200cm
  • 分布:シベリアで繁殖し、冬に中国や日本へ渡来
  • 生息地:湿地、農耕地、水田

季節別の出現状況

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オグロヅル

2. 外見の特徴

  • 全体は灰色で、頭から首にかけては白色。
  • 目の周囲や顔の一部は黒く、鋭い印象を与える。
  • 名前の通り尾羽が黒く、飛翔時にもはっきりと目立つ。
  • 足は黒く、スラリとした体型で優雅さが際立つ。

3. 鳴き声

  • 「クルルゥー、クルルゥー」と響く声。
  • 群れで鳴き交わすことが多く、渡来地では大合唱のように聞こえる。
  • ペアや家族単位でも鳴き交わし、絆を深める行動として知られる。

4. 生態と行動

食性

  • 雑食性で、穀物の落ち穂や草の根をよく食べる。
  • ミミズ、昆虫、小さな甲殻類など動物質の餌も採る。
  • 渡来地の水田や農耕地で採食する姿がよく見られる。

習性

  • 群れで生活し、数千羽単位で渡来することもある。
  • 渡来地ではマナヅルやナベヅルと混群を作ることも多い。
  • 日中は採食、夜は安全な場所で集団で休息する。

5. 繁殖

  • 繁殖地はシベリア東部の湿地帯。
  • 湿原に草を積み上げた大きな巣をつくる。
  • 産卵数は2個ほど。ヒナは早成性で孵化後すぐに歩ける。
  • 子育ては両親が協力し、長期間にわたって行われる。

6. 日本での観察状況

  • 鹿児島県出水平野が世界最大の渡来地。
  • 数千羽規模で渡来し、冬の風物詩となっている。
  • その他、九州各地や山口県でも観察例があるが数は少ない。

7. 類似種との違い

種類主な違い
マナヅル体がやや大きく、首から顔が灰色。
ナベヅル全身が黒っぽく、首が短め。
タンチョウ白い体と頭頂の赤斑が特徴。
オグロヅル灰色の体、白い頭と首、黒い尾羽が目立つ。

8. 文化との関わり

  • 古来より日本人に親しまれ、和歌や俳句にも詠まれてきた。
  • 出水平野のツルは特別天然記念物に指定され、地域の誇りとなっている。
  • 観光資源としても重要で、毎年多くの人々が観察に訪れる。

9. 保護と環境

  • 国際的には個体数が増加傾向にあるが、渡来地は限定的。
  • 日本の出水平野は世界的にも重要な越冬地であり、環境保全が不可欠。
  • 環境省レッドリストでは「準絶滅危惧(NT)」に分類。
  • 農業と共存しながら保護活動が続けられている。

まとめ

オグロヅルは、灰色の体に白い首、黒い尾を持つ上品で美しいツルです。毎年冬になるとシベリアから鹿児島・出水平野に飛来し、壮大な群れを見せてくれます。その存在は地域文化や観光にも深く結びついており、まさに日本の冬の風物詩といえるでしょう。


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