
ドバト(Columba livia):都市と自然をつなぐ身近な鳥
ドバト(カワラバトとも呼ばれる)は、都市部から農村部まで幅広い環境で見られる非常に身近な鳥です。鳩は古代から人間と深く関わりを持ち、平和の象徴としても親しまれています。この記事では、ドバトの特徴、生態、文化的意義、問題点について詳しく解説します。
1. ドバトの基本情報
- 学名: Columba livia
- 分類: ハト目ハト科
- 体長: 約30~35cm
- 体重: 200~300g
- 寿命: 野生で2~5年、飼育下では10年以上
- 分布: 世界中(人間の生活圏に密着)
- 原産地: 地中海沿岸や中東
2. ドバトの特徴
体色と模様
- 体色は灰色を基調とし、翼に黒い帯模様があります。
- 首の部分には緑や紫に輝く金属光沢が見られる個体もいます。
- 品種改良や交雑により、白、黒、茶色などさまざまな色の個体が存在します。
飛翔能力
- ドバトは優れた飛翔能力を持ち、時速50~80kmで飛ぶことができます。
- 帰巣本能が非常に強く、古代から伝書鳩として利用されてきました。
鳴き声
- 柔らかい「クークー」という鳴き声が特徴的で、街中でもよく耳にします。
3. ドバトの生態

食性
- 雑食性で、種子、果実、穀物、昆虫などを食べます。
- 都市部では人々の食べ残しやパン屑なども食べるため、適応力が非常に高いといえます。
繁殖
- 繁殖期は特定の季節に限らず、年間を通じて繁殖可能です。
- メスは1回の産卵で2個の卵を産み、オスと協力して温めます(抱卵期間:約18日)。
- 雛は親鳥の「ピジョンミルク」(嗉嚢から分泌される栄養物)を与えられて育ちます。
4. ドバトの分布と生息地
世界的な分布
- ドバトは人間の活動範囲に密着しており、都市、公園、農村、港湾など多様な場所で見られます。
- 原産地は地中海沿岸や中東ですが、人間による移動で世界中に広がりました。
生息環境
- 建物の隙間、橋の下、公園の木々などが巣作りに適した場所です。
- 都市部では、建築物を崖や岩場の代わりに利用するため、非常に適応力が高いといえます。
5. ドバトの文化的意義

平和の象徴
- 鳩は古代から平和の象徴とされてきました。
- 聖書ではノアの箱舟の物語に登場し、オリーブの枝を咥えた鳩が平和の到来を告げました。
人間との関係
- ドバトは古代エジプトやローマ時代から家畜化され、伝書鳩や食用鳩として利用されました。
- 現代でも観賞用や競技用の品種が飼育されています。
6. ドバトと人間の関わり
利用の歴史
- 伝書鳩: ドバトの帰巣本能を利用してメッセージを運ぶ手段として用いられました。
- 食用: ドバトは古代から食用としても飼育されてきました。
問題点
- 糞害: 都市部では、ドバトの糞が建物や車両を汚染し、清掃や修繕にコストがかかる問題があります。
- 感染症: ドバトの糞にはクリプトコックス症やオウム病などの病原菌が含まれることがあり、適切な管理が求められます。
7. ドバトの魅力と課題
魅力
- 身近で観察しやすく、人間の生活に馴染んでいます。
- 帰巣本能や社会性の高さから、興味深い行動を観察することができます。
課題
- ドバトが都市環境に適応しすぎた結果、過密化や糞害が問題になっています。
- 適切な餌やりの抑制や個体数管理が必要です。
8. ドバト観察のポイント
- 公園や駅: 多くのドバトが集まる場所で、その社会的な行動を観察できます。
- 餌付けの注意: 無責任な餌付けは個体数の増加や糞害の原因となるため、控えることが推奨されます。
9. ドバトと自然保護
- ドバトはその繁殖力と適応力から、保護対象にはなっていません。
- ただし、野生のカワラバト(ドバトの祖先種)は、ドバトとの交雑によって純血種が減少する問題があります。
10. まとめ
ドバトは、私たちの生活に密着した身近な鳥でありながら、その行動や歴史を深く知ると新たな発見が得られる魅力的な存在です。適切な管理と共生の方法を考えることで、より良い環境を作ることができるでしょう。
ギャラリー






コメント